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第8章 揺れる想い 5/8

ผู้เขียน: 栗須帳(くりす・とばり)
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-11 11:00:24

「山崎……」

 早苗〈さなえ〉が肩を震わせる。

「柚希〈ゆずき〉が何をしたっていうのよ……あいつは……あいつはいつも周りを見て、周りの雰囲気を壊さないよう、そっと生きてるんだよ……こっちに来てからも、今までもずっと……

 柚希があんたに何かした? 何をしたって言うの? 何もしてないじゃない。それにあいつは……あいつは……」

「小倉てめぇ……」

「あいつはそれでも、殴られたことを誰にも言わず、一人で耐えてたんだよ? あんたに大怪我させられた時だって、誰にも言わないでくれって、私に言ったんだよ? それに……それに、あんたのことを憎んでないって言ったんだよ?

 そんな柚希を、抵抗もしない柚希を……あんたは滅茶苦茶にしたんだ!

 弱虫はどっちだ! 泣き虫はどっちだ!」

「小倉あああっ! てめぇよくもっ!」

「屑はあんただっ!」

 * * *

 早苗は泣いていた。

 世の理不尽に。

 柚希の決意を嘲笑うように、何ひとつ変わっていない現実に。

 その早苗の激情は、山崎を少なからず動揺させた。

「お前ら、何をやってるんだ」

 偶然通りがかった教師が、声をかけてきた。

「どうした小倉。泣いてるのか」

「ちっ……」

「おい、待て山崎。お前、小倉に何かしたのか」

「何もしてねえよ。そいつが勝手に泣き出しただけだ」

 そう言って、山崎が大股で去っていく。

「小倉、大丈夫なのか」

「あ……はい、先生……すいません」

「何かされ

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